2、
簿記3級で教わったことと実務の違い
簿記3級を
勉強していたら基本的に青色決算書のほとんどを作成できるはずです。教わっていないところといえば、ほんの少し、以下の点だけです。
(1)事業主勘定と元入金
(2)
家計と事業の共通費
(3)減価償却費の計算
(4)専従者給与
(5)青色申告特別控除
今回は、これらの
ポイントについて説明します。
(1)事業主勘定と元入金
<基本的な考え方>
個人事業者が初めて帳簿をつけていって、最初につまづくのが事業主勘定(事業主貸勘定、事業主借勘定)です(簿記3級の勉強では出てきませんね)。
個人事業者の実務簿記のもっとも大切なポイントは、家計のお金と事業のお金をキチンと区別するということです。事業主勘定とは、家計のお金と事業のお金を調整してくれる勘定科目です。
たとえば、家計のお金を事業のお金に回すことがあります。このときは、つぎのような仕訳をします。
(借)
現金預金 ××× (貸)事業主借 ×××
事業の側から見たら家計から借りているから事業主借勘定をつかいます。
(事業をスタートさせたとき、通常何らかの事業用
資金が必要でしょうから、商売用の通帳をつくって、預け入れ、この仕訳をされたら、やりやすいと思います)
逆に、商売で増やした事業のお金の一部を生活費として家計に渡すことがあります。このときは
(借)事業主貸 ××× (貸)現金預金 ×××
事業の側から見たら家計に貸しているみたいなものですから事業主貸勘定をつかいます。
<応用>
この事業主勘定ですが、事業と家計の調整項目として便利に使うことが出来ます。
たとえば、所得税や市民税、県民税の支払いを事業用の資金から支払うことがあります。簿記3級の勉強ですと
(借)租税公課 ××× (貸)現金預金 ×××
となるのでしょうが、所得税や市民税、県民税は、必要経費になりません(家計が負担すべき税金と考えてください)。
したがって、事業が家計の税金を立て替えたと考えて
(借)事業主貸 ××× (貸)現金預金 ×××
の仕訳をしておいてください。
(注意 県税事務所から送られてくる事業税や自動車税、事業用
資産の固定資産税、印紙税などは経費になりますので
(借)租税公課 ××× (貸)現金預金 ×××
でOKです)
また、
デザイナーや
保険外交員、弁護士、医師などは、もらえる報酬の一部が源泉徴収されます。(事例では、1000円の売上で100円源泉)このときも、事業主勘定をつかって
(借)現金預金 900 (貸)売上 1000
(借)事業主貸 100
と仕訳しておき、事業用のお金と切り離しておくと便利です。あとの所得税額の計算は、決算書ではなく申告書の中で行います。
<繰越>
最後の一年間の業績を集計すると、貸借対照表に事業主貸勘定、事業主借勘定が残ります。「事業主借勘定 +青色申告特別控除前の所得金額 −事業主貸勘定」を翌年の元入金(簿記3級でならった資本金みたいなもの)として、翌年度に繰り越します。
翌年度元入金=元入金+事業主借勘定+青色申告特別控除前の所得金額−事業主貸勘定
posted by SE会計士の日記 at 08:26|
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